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家づくりブログvol.9【耐震等級3まではいらない?】

2025年11月28日

あっという間に年末間近ですね。

皆様は年末どのように過ごされるご予定でしょうか?

年末というと私はまだまだ怖いというイメージがあります。

というのも2024年1月1日の能登半島地震の際、私は祖父の家がある輪島に帰省しておりました。

周りの山の土砂崩れで1日~3日まで何の情報もない中、外部から孤立し、さらにいつ土砂が崩れるか分からない状況で「ここで死ぬのかな…」と思っておりました。

当時の状況がこんな感じ↓

地震前はこんな感じ↓

何とか脱出することはできましたが生きた心地がしない3日間でした。

場所も場所ではあるのですが自然豊かで素敵な場所でして、いつでも優しく真面目に生きてきた祖父母の家が壊れることに泣くでもなくただただ絶望と恐怖を味わいました。

 

私自身和泉に入社する前から家というのはデザインや断熱、気密性能も大切ですがまず第一に耐震性能を確保することが最重要と考えており、もしかするとプラン打ち合わせの際も耐震に「えらくうるさいな~」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが実はこのような実体験もあったりします。

 

しかし、建築業に携わっているとこのようなことを聞くことがあります。

「何十年も前に建てた建物でも倒れてないんだから今の建物は強いでしょ?」

「法律を守っているんだから好きにしていいでしょ」

「他社では耐震等級3までいらないと言われました」などなど

 

そこで今回は

「耐震等級3にする必要ある?」

のかというお話しです。

 

誰しも地震に強い家が欲しいと望むと思います。

ただ色々な人に耐震等級3がいいと言われたり、耐震等級3までいらないと言われたりするとよく分からなくなりますよね。

そこで私が思う耐震等級3が必要だと思う理由をご紹介

 


 

■家が倒れれば道路を防いだり、隣の建物にも被害が出る可能性がある

地震の被害が自分の家だけに留まれば良いですが、地震の影響で自分の家が道を塞いでケガ人の搬送であったり、物資の支給などの妨げになることもあります。

さらに横の建物へよしかかったりするとお隣さんのお家を巻き添えにする可能性もあります。

これは逆もしかりで耐震等級3にしてもお隣さんが古い今にも倒れそうな建物だったりすると自分の家に被害が出る可能性もあるので土地探しではこのような点も重要かもしれませんね。

家を強くすることは自分たちの家族を守ると同時に地域の人たちへの配慮にもなるということを考える必要があります。

 


 

■地震により何度も建物が揺れると気密性や断熱性に影響が出る可能性がある

弊社宮崎担当のブログでもあったように和泉ではお家の気密性を良くするために職人さんはもちろんのこと現場監督や時には営業までもが頑張って気密処理しています。( IZUMIのお家づくりブログvol.8|「思いのこもった家」は、誰がつくるのか—職人さんと気密性のお話 参照)

その気密性能ですが、

測定→良い数値→OK!…ではありませんよね?

気密を良くするのは計画換気が上手く機能させたり、不要な熱損失を起こさせないなどのためですのでその良い数値が長く続いてくれないと困ります。

しかし、建物自体や窓の経年劣化などで気密性能は徐々に落ちていきます。そんな中、大地震を含め細かな地震を受け、何度も揺れることで気密性能が失われる可能性があります。

 


 

■法改正が行われた時に、リフォーム等に対応しやすくなる可能性がある

4月より法改正が行われ、新築、リフォーム共に申請等で行政含めバタバタした状況が続いています。

大きなリフォームやリノベーションの際にも新築と同様に構造等の審査が行われますのでそんな中で断熱リフォームしたいのに構造の基準を満たすことにほとんどお金を使わなくてはいけないなどの状況も生まれてきています。

行政も構造、性能等アップデートしていきますのでその時の国の最低基準では次世代が建物を触ろうとした際、その時の基準を満たしておらず売値が安くなってしまったり、基準を満たすためにたくさんのお金がかかってしまう可能性があります。

 


 

■断熱性等の向上で建物の重さが変化している

最近の住宅は断熱性能が向上しているというのは方々で聞くと思います。

断熱性能が向上すると実は建物の重さも重くなっていきます。

例えばガラスが1枚の窓とガラスが3枚の窓(2㎡の窓で約40kg)の重さは3倍ほど違います。

現に4月法改正で建物の壁の量が見直されたのも地震があったからではなく、断熱性能の向上で建物が重くなったためです。

建築会社それぞれ断熱性能を上げたり、様々な材料を使いますがそれによって建物の重さが変わるという事を考える必要があります。

人間の頭に重りを載せていくと横から押された時に段々耐えることが難しくなりますよね。

弊社では実際の建物の重さで構造計算を行う、許容応力度計算で耐震等級をとっていますので断熱性能の向上と共に建物への負荷を考慮しています。

 


 

これらを理由に「可能性がある」と記載しましたが実際それが起こる可能性は数%かもしれません。生涯そのようなことが起こらない可能性の方が高いかもしれません。

しかし、その可能性、その数%を出来る限り排除し、安心できるのであれば耐震等級3の建物にしたくないですか?

 

ただ実は耐震等級3と一言で言っても構造に無理をさせた無理矢理耐震等級3な建物もあったりしますのでその辺詳しくは弊社まで聞きにいらしていただければ幸いです。

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